飛び入り練習でコバルトーレ女川入りつかんだ…JFL復帰へ長身左利きGK加藤聖士

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コバルトーレ女川への内定をつかんだ、とわの森三愛のGK加藤

 とわの森三愛高サッカー部GK・加藤聖士(3年)が東北社会人1部・コバルトーレ女川(宮城)に入団することがこのほど内定した。183センチの長身で左利きの守護神は、今秋の全国高校サッカー選手権道大会で同校初となる4強入りの原動力となった。練習参加を経てつかんだ新天地でも、厳しい競争を勝ち抜き、18年以来のJFL復帰、その先のJ3昇格に貢献する。

 青く澄んだ冬空の下、とわの森三愛の加藤に吉報が届いた。コバルトーレ女川から内定を得た加藤は「目標のJリーグへ女川で心身を鍛えていきたい」と腕をぶした。

 自らの手でチャンスをつかんだ。11月、女川での練習に飛び入り参加し、35分×3本で行われた実戦形式の練習で無失点。臆せず指示を出し、足元の技術も披露。阿部裕二監督(48)から高い評価を受けた。現役時にJFLソニー仙台で阿部監督と共闘した恩師の建部大自監督(44)は「将来性を買ってもらったのかな。ここからが本当の勝負」とエールを送る。

 183センチ、希少な左利きGKには、春からJ3クラブも関心を示していた。だが6月の高校総体道予選は旭川実相手に1―3で初戦敗退。「敗戦も声がかからなかったこともショックだった」と振り返る。それでも初の2季連続全道だった10月の選手権道大会2回戦(2―1)で旭川実にリベンジし、準々決勝の帯広北戦(0―0、PK3―2)では好セーブを連発。初4強への貢献が、新たな挑戦を決める契機ともなった。

 東日本大震災の被災地でもある女川は16、17年に東北1部で優勝。18年にJFLに昇格も16位に終わり1年で降格した。今季は東北1部で3位だが、力のあるチームだ。入団後は先輩GKとの定位置争いも待つ。加えて他の社会人チーム同様に日中は企業で働き、練習は夕方以降の限られた時間となる。成長のため、あえて厳しい環境を選んだ加藤は「チームとサポーターには震災を経た絆もある。結果を出して1年目から愛される存在になりたい」と宣言。JFL復帰からJリーグ昇格へ。退路を断った高卒ルーキーが、激しい戦いに身を投じていく。(川上 大志)

 ◆加藤 聖士(かとう・さとし)2002年2月10日、江別市出身。17歳。江別対雁小3年から対雁少年団でサッカーを始める。小4から志願してGKに転向。江別中央中ではサッカー部に所属。高校では1年秋の選手権札幌地区予選から正GKとして出場。183センチ、71キロ。左利き。家族は両親と弟、妹2人。尊敬するGKはアリソン・ベッカー(プレミアリーグ・リバプール)。

 ◆コバルトーレ女川のJFL再昇格への道

 東北社会人リーグ1部の覇者が、各地域の優勝チームなどが参加する全国地域サッカーチャンピオンズリーグへの出場権を獲得。12チームで争う同リーグで上位2チームに入れば次年度のJFL昇格権利を得る(JFL入会を希望しているクラブのみ)。今季3位のコバルトーレ女川は来季、まずはJFL昇格した17年以来の東北1部優勝を目指す。