村田諒太、バトラー撃破し「幸」で19年締めくくる

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公開練習を笑顔で終える村田(撮影・山崎安昭)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が「幸」で19年を締めくくる。23日に横浜アリーナで同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦を控え、12日には都内の所属ジムで練習を公開し、今年の漢字1文字に「幸」を選んだ。昨年10月にロブ・ブラント(米国)に敗れた際と似た状況に「同じ轍(てつ)は踏まない」と、1戦集中で幸せに年越しする構えだ。

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今年の世相を表す「今年の漢字」に「令」が選ばれたこの日、村田は「幸」で自らの19年を表現した。その意図は「ボクシングができる幸せ」。練習パートナーとして呼んだスーパーミドル級で無敗のホープ、アイザイア・スティーン(23=米国)との2回のスパーリングを公開。体格で上回る相手をロープ際に追い込み、右ストレート、左ボディー、6連打とパワフルに攻めて好調ぶりを披露。充実した笑みを浮かべた。

1年前は、ゼロから出発したタイミングだった。昨年10月、当時WBA1位だったブラントに敗れて進退に揺れ、最終的に現役続行を表明した時期。今回、拳を交えるバトラーは村田戦決定までWBO1位とランクではブラント級。初防衛成功ならば、来年には4階級制覇王者のWBAスーパー、WBCフランチャイズ王者アルバレス(メキシコ)、元3団体統一王者のIBF王者ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチ実現の期待が膨らむ状況も似ている。

村田 世界へアピールという気持ちはない。この1戦に懸けないといけない。世界へアピールなんて思って試合したら、ブラント1戦目も負けてますし。同じ轍(てつ)を踏まないように。1戦に集中したい。

「幸」は私生活への意味もある。「(ボクシング)キャリアにおいてだけが人生ではない。人生においての目標、夢は家族で幸せに過ごすこと。『幸』を感じられることが大切」。長女佳織ちゃん(5)から「がんばってね」とつづられた手紙が届いたことも明かし「(ホテル生活で)家族に会えないことも力に変えたい」と気を引き締めた。19年すべてを「幸」にするため、村田が両拳でバトラー撃破だけに集中している。【藤中栄二】