銃乱射事件を経験したマレー、呼吸困難や不安障害の過去明かす

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男子テニス、国別対抗戦デビスカップ準決勝、英国対スペイン。拍手を送る英国のアンディ・マレー(2019年11月23日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】男子テニス、元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、少年時代に経験した銃乱射事件について口を開き、呼吸困難や不安障害に苦しんだ過去を初めて明かした。

【写真】故郷ダンブレーンで挙式したマレー

 マレーは兄のジェイミー(Jamie Murray、英国)とともに英スコットランドのダンブレーン小学校(Dunblane Primary School)に通っていた1996年3月13日、トーマス・ハミルトン(Thomas Hamilton)が起こした銃乱射事件に遭遇した。拳銃4丁と銃弾700発を携えたハミルトンは、体育館で5歳から6歳の児童16人と教師1人を殺害。当時8歳のマレーはクラスメートと一緒に現場となった体育館へ向かう途中だったが、教師の指示で校長室の窓の下に隠れ、ジェイミーも別の教室に隠れて難を逃れた。

 マレーが事件について語ることはこれまでほとんどなく、また話しているところをカメラに撮られるのも好まなかった。しかし、今回制作されたドキュメンタリー「Andy Murray: Resurfacing」の中で、マレーは監督に宛てたボイスメモの形で口を開いている。

 29日に米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の有料会員向けサービス「プライム・ビデオ(Prime Video)」で配信が始まるドキュメンタリーの中で、マレーは「この前、なぜテニスが僕にとって重要かを聞いたよね?」「それはもちろん、ダンブレーンでの出来事があったからだ」と語った。

「あの場にいた全員にとって、理由はどうあれ、あれが苦しい経験だったのは間違いない」「僕らは彼(ハミルトン)を知っていた。彼の学童クラブに通っていたし、わが家の車に乗せて、駅まで送っていったりしたこともあった」

 マレーは話している途中で涙声になり、事件直後に家庭でつらい出来事が続いたことも、心の傷が深くなる要因になったと続けている。

「事件から1年とたたないうちに、両親が離婚した」「子どもにとっては大変な時期だったし、何がどうなっているのか訳が分からなかった」「その後、半年か1年くらいで兄(ジェイミー)が家を出ていった」「テニスのためだったけど、僕らは何をするにも一緒だったから、それも本当につらかった」

 そしてマレーは、その時期に不安障害に悩まされたことを明かし、テニスは逃げ場所だと話している。

「あの頃や、あれから1年くらいは本当に不安で、テニスをしている最中に症状が出ることもあった」「試合をしていて、ものすごく息が苦しくなったこともある」

「僕の感覚としては、テニスはある意味で逃げ場所なんだ。こういった物事を押し殺してきたから」「普段はこういうことについて僕たちは話さない。話題にしないことなんだ」

「コートで僕の性格の良い面が出たり、逆に自分でもすごく嫌いなイヤな面が出てしまったりする」「テニスは僕がそうした子どもでいることを許してくれる場所で、それが質問への答えだ」

「だからこそ、僕にとってテニスは大切なんだ」 【翻訳編集】 AFPBB News