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【東西現場記者走る】インディチャンプ、春秋マイル王へ5馬身ちぎった

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【東西現場記者走る】インディチャンプ、春秋マイル王へ5馬身ちぎった

インディチャンプ(右)は池添騎手を背に鋭い加速で5馬身先着した(撮影・岩川晋也)

 密着取材でGI勝ち馬を探る連載『東西現場記者走る』。マイルCSを担当する東京サンスポの千葉智春記者(35)は3日目、栗東トレセンでインディチャンプの追い切りに注目した。主戦の福永騎手が騎乗停止になったため、池添騎手が代打騎乗。初コンタクトの感触や意気込み、毎日王冠3着からの巻き返しはあるのか-。陣営の手応えを探った。

 水曜はジャパンCの1週前追いもあり、さすがのにぎわい。マイルCS出走馬も坂路を次々と駆け上がる中、インディチャンプの姿を発見。ペンを持つ手に力が入った。

 春の安田記念でGI初制覇。人気馬の不利もあったが、レースレコードVは力がなければできない。主戦の福永騎手が先週土曜の東京で騎乗停止となり、注目されていた鞍上も、火曜に池添騎手と発表。追い切りで初コンタクトを取ると聞き、動きを見届けたかった。

 アメリカズカップ(5歳OP)を1馬身追走し、残り300メートルで内から併せると、鋭く加速した。ラスト1ハロンから追われ、最後は5馬身先着。1週前に自己ベストタイの4ハロン50秒3をマークしたうえで、4ハロン52秒9-12秒2と上々の時計で駆け抜けた。

 池添騎手は「指名いただき感謝しています」と謝意を示したうえ「馬場が荒れている時間でも脚取りはしっかり。最後の1ハロンもいい反応で、状態の良さを感じました」と笑顔を見せる。併せた馬に騎乗した生野助手も「抜け出す脚が速かったです。上向いていると思います」と、休み明けを使っての良化を伝えた。

 前走の毎日王冠は3着に敗れたが、実績のない9ハロンで0秒4差。音無調教師も「馬体が絞れず、距離も長く、スタートが良すぎて前めになった。それで3着やしな」と前向きだった。前走時と違い、今回は短期放牧から帰厩時で体が絞れ、「きょうで480キロ。あとは輸送で絞れそう」。前走時が自身最高馬体重の476キロで、プラス体重の次戦は【3・0・1・0】。2009年カンパニー、16年ミッキーアイルで制している音無厩舎の仕上げに抜かりはなさそうだ。

 課題として、生野助手は「久々の右回り」と挙げたが、そこは頼りになる鞍上。2003、04年デュランダル、11年エイシンアポロンで最多タイ3勝のジョッキーは「坂を下ってコーナーを迎える独特のコース。まずは流れに乗せること。早めに抜け出すとソラを使う(気を抜く)癖があるそうなので、頭に入れなければ」と見据える。

 ソラを使う癖も、池添騎手は福永騎手と意見を交換。「先輩の方から言ってくれました。本人が一番乗りたかったと思います。先輩が悔しがるような、いい結果を出したい」と意欲を燃やす。春秋マイルGI制覇へ、好ムードを感じた。(千葉智春)